【2018 コチ コチ・ムジリス・ビエンナーレ2018  インド】

2018.12.12-2019.03.29

2018年3月28日、インドのコチ・ムジリス・ビエンナーレのキュレーターであるアニタ・デュベAnita Dubéが研究の一環でメキシコに来た際にモニカと面会した。そしてその6月には、第4回目のビエンナーレへの正式な招待があった。

テーマは「The possibilities of a non-alienated life(分け隔てのない生への可能性)」で、モニカたちはThe Clotheslineを展示する提案に取り組み始めた。

さらに、このバージョンを文脈化した一連の作品があるということで、「Madre por un día一日の母」、「 Traducciones: un diálogo internacional de mujeres artistas翻訳:女性アーティストの国際的な対話」、「Celebración祝賀」、「Abrazosハグ」のビデオも含まれていた。

8月、開催の具体的な企画書を考えている最中に、コチのあるインドのケララ州で壊滅的な洪水が相次ぎ、「The Clothesline」と「Abrazos」の前バージョンをもとに作品を作ることになった。

2017年に大地震がメキシコシティを襲ったモニカにとって、自然災害はThe Clotheslineのテーマになり得ると考え、今回はメキシコ・コチ両方で地震と洪水についてのテーマで開催したらどうかという提案を出した。

質問は

災害が私から奪ったものはなんですか?

災害が私に与えたものはなんですか?

というものになった。

モニカはメキシコから、2017年のメキシコの記憶を元にしたThe ClotheslineをFacebook上で開催した。

回答はすぐに集まった。

メキシコから地震について128件の回答があり、英語とスペイン語で投稿された。

インドでは、悲劇が起きたのはもっと最近のことで、まだ避難所にいる人も多いので、反応を得るまでのアプローチを変えることになった。

ビエンナーレは、被害に遭った人たちと一緒に行って対応を呼びかける責任があるからだ。

彼女たちの言語での回答は、その後、英語に翻訳された。

開場前に76件の回答が届き、出品期間中にあと何件入手できたかは正確には不明であったが、モニカはスペイン語に翻訳された回答をFBページで共有した。

コチ・ビエンナーレのThe Clotheslineは順調に進んでいた。

しかし10月末に、ビエンナーレを創設したアーティストのリヤス・コム(Riyas Comu)がハラスメントの容疑をかけられているというニュースが飛び込んできて、辞任が発表された。

このような状況のなか、The Clotheslineでのハラスメントの問題は避けて通れない。

震災や洪水に関する質問に加えて、ハラスメントに関する質問も入れようということで、ビエンナーレの主催者と意見が一致しThe Clotheslineは拡張された。

皮肉なことに、ハラスメントに関する質問の方が参加者は断然多かった。

The Clotheslineはコンテキストに対応した作品であったが、社会が大きく変化することもあり、それに対応した作品にしなければならないことがわかった。

Our Clothesline with Mónica Mayer

メキシコのフェミニスト・アーティスト、モニカ・メイヤーの作品《The Clothesline》を元に、同プロジェクトを日本各地で展開するグループです。

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